シワは年齢を重ねた肌に現れる溝状の窪みを指します。

またシワは出来る箇所により浅い物から深い物、長さも異なります。

特に女性では、ライフステージの変わる30歳代から気になる傾向です。

シワは皮膚の薄い部分(目の周り)や表情が動きやすい箇所である

眉間や額、小鼻の横(鼻翼)と口角のあたりはシワができやすいです。

そんなシワにも、種類があります。

  • 乾燥シワ(表皮性シワ):一時的にできるシワ、目の下に細かく出来るシワ

  • 小ジワ(真皮性シワ):目尻などにできるシワ

表皮に食い込み真皮の乳頭層が失われ、皮膚が萎縮した状態である。

そのため安静時には消失せず、指で少し無理矢理伸ばせば消失するシワ。

  • 大ジワ(老化性シワ):小ジワがより深くなると目や口の周囲、輪郭にできるシワ

加齢により膠原線維・弾性繊維・細胞間基質(細胞小器官の間を満たしている液状の部分)

全てが減少した状態で、これに紫外線のダメージが蓄積されることで

真皮の網状層が変化、膠原線維束が不均一となります。

その結果、皮膚が重力を支えきれないのでシワが生じます。

そのため、シワの発生機序をまとめると

皮膚の乾燥 ⇨ 真皮層の細胞間基質の減少と変化 ⇨

膠原線維・弾性繊維の減少や変性 ⇨ 弾力繊維の変形による配列の乱れ ⇨

膠原線維・弾性繊維の沈着 ⇨ 皮下組織まで萎縮や下垂が起きる ⇨

表情筋の緊張や弱化による弛緩が起きる。といった具合です。

シワの発生を防ぐ、改善するためには乾燥から肌を守る物質

角層を柔軟にする物質・紫外線や過酸化脂質による皮膚へのダメージを防ぐ物質

などが配合されたスキンケア用品の使用が推奨されます。

■他のシワをつくる原因

  • 皮膚の疾患によるもの:皮膚の炎症・傷・湿疹など
  • 自律神経の失調や女性ホルモンの減少
  • 無理なダイエット方法
  • 睡眠不足や過労
  • 過度な精神的ストレス
  • 喫煙

こういったものも、シワを形成する原因になります。

次に、東洋医学の観点でなぜシワができるのか?

また、鍼灸治療を継続していくことでシワは徐々に解消していくのかを説明します。

◆東洋医学とシワ

先程もお話したように、シワは乾燥しできた状態から小ジワへと変化していき

浅いシワから深いシワへと色々な素因が絡み合い深いシワが形成されます。

特に表情筋の動きが多い部分や、皮膚の薄い部分に現れることが多くなります。

眉間のシワ・目尻のシワ・ほうれい線などは、これに該当します。

乾燥シワや、程度によりますが浅いシワは数回の施術で解消しますが

深く溝ができてしまったシワに関しては、他のスキントラブル同様

表面的なアプローチのみでの改善は難しいものになります。

シワの形成される原因には、感情などの精神状態などが関係し発生するものなので

体質や心身の改善も並行する必要があります。

次にシワが発生する場合に考えられる東洋医学的な弁証をお話していきます。

■心脾両虚証 × シワ

シワの特徴は細かく小さい。お顔全体に現れ特に鼻周囲や額に多く見られる。

心脾両虚証は身体を栄養する血の不足やエネルギー、女性であれば

月経時の出血量が多いなどによる心血虚証と

精神的なストレスや飲食の不摂生による気の不足の脾気虚証の両方の症状によって起こります。

血の不足は、全身を十分に栄養することができないため皮膚や肌肉にも

その影響は現れ肌の弾力性やハリが失われてしまい表情をつくるときに

できるシワは消失しにくくなり、やがて深いシワへと変化してしまいます。

また脾気虚証は、運化作用(飲食物から得た栄養や水を巡らす)が失調すると

肌への栄養供給が滞り、肌の潤いがなくなり乾燥しハリが失われ

シワが形成されてしまうと考えれています。

そのため、シワの改善にはこの両方の体質を正常に戻すことが必要になります。

また心脾両虚証で現れる他の症状に、動悸・不眠症・夢を多く見る

疲労や倦怠感・食欲不振・泥状の軟便・あざができやすいなどがあります。

心脾両虚証の治療では、不足している気(エネルギー)と血を補い

弱った心と脾の働きを助ける治療方針とシワの箇所に鍼や灸を行います。

体質の改善には、手足や必要に応じ背部や腹部の経穴(ツボ)を用います。

また乾燥やハリのないお顔に鍼を打ち、肌の新陳代謝を高めることでシワの解消に導きます。

■気滞血瘀証 × シワ

シワの特徴はお顔全体的というよりも、局所的に深く現れることが多いです。

また肌は乾燥し表面がかさつき、その状態が悪化すれば溝がより

深くなってしまい、シワは解消することが難しくなります。

気滞血瘀証は、精神的な緊張やストレスにより気(エネルギー)の巡りが鬱滞

また同じく、血の巡りに失調をきたし瘀血が生じます

気と血の巡りが悪くなることで、肌の必要な栄養分や水分が行き届かず

肌のかさつき・乾燥しザラザラした状態になります。

また血瘀の状態も相まって、水分量は更に低下し皮膚の乾燥は強くなり

肌の表面に窪みができ、その窪みが深い溝を形成しシワも強くなります。

また血瘀は、性質上固定し移動しないという特徴があり

シワができる箇所も、局所的になると考えれています。

気滞血瘀証になると現れる症状は、胸や脇に張り感や痛み・イライラしやすい

身体に限局した筋肉や関節の痛みがある・手足に冷え感がある

また女性では、月経前に乳房が張るような痛みを伴い月経痛が強烈で

経血の色は、鮮やかな色ではなく暗紫色で血の塊をみます。

こういった不調があれば、気滞血瘀証の体質に該当します。

気滞血瘀証の治療では、気の滞りが原因で血の運行を低下させているため

気の巡りを改善し、血の巡りを良くする治療方針とシワ局部に

鍼と灸を用いて、シワと体質の解決へと導いていきます。

治療を行う経穴がある、手足や背部、腹部またお顔を鍼灸で刺激します。

シワのある箇所への鍼の刺激は、新陳代謝の働きを取り戻すことができます。

先程もお伝えしたように、シワだけではないですが

お顔のスキントラブルを改善することは、期間を要する可能性が高いです。

お顔は自分の健康状態を反映する鏡のようなものです。

しっかり、鍼灸治療を軸に体質を改善するための方法を行動にうつして

根本からの改善を一緒に目指していきましょう!

眉間のシワとほうれい線の内容は、他のブログでお話させていただきます。

よろしければ合わせてお読みになってください。

光幸はりきゅう院・接骨院 代表:庄司 有希