皮膚は、人の身体全体に覆われている組織です。

表皮真皮皮下組織の三層より成り立っています。

身体全体での皮膚の広さは成人の平均で1.6㎡ほど

畳の1枚分の大きさになります。

厚さは表皮+真皮層で、0.6mm~3.0mm(平均で約2.0mm)

重さは体重の約16%を占めています。

特に男女問わず悩みとなる、お顔の肌の状態は

相手に与える印象だけでなく、自分自身の人生に充実感や幸福感など

与える影響は大きいと思われます。

そんな美容の分野とは切っても切り離せない、肌の詳細を

まとめてみましたので、是非読んでみてください。

◆皮膚・肌の役割や機能

  • 水分を細胞内に保つ
  • 皮脂や汗を分泌(分泌排泄作用)
  • 外部からの異物侵入を防ぐ(保護作用)
  • 汗をかくことで体内の熱を放出する(体温調節作用)
  • 痛みを感じるなどの防御機能(知覚作用)
  • 精神状態を表現する(表情作用)
  • 酸素を取り込みガスの排出(呼吸作用)

皮膚、肌のこれらの機能によってヒトは恒常性を保ち生活できているのです。

◆各皮膚の層の特徴

  • 表皮(約0.2mm)

目に見える肌の一番、外側の部分で外部からのさまざまな刺激を

身体の内部に伝えにくくする役割を担っています。

表皮は上から、角層顆粒層有棘層基底層で構成されます。

それぞれの層の特徴として

  • 角層

NMF(天然保湿因子)細胞間脂質といわれる水分に富み乾燥を防ぐ構造や

皮脂と分泌された汗が混じり合ってできる皮脂膜によって皮膚を守っています。

この組織の潤いが、そのまま肌の状態につながります。

  • 顆粒層

顆粒層は肌のターンオーバーにより角層に変化します。

その過程で出来た顆粒が分解・生成されてNMFの主成分になります。

  • 有棘層

血管・リンパ管から輸送された酸素や栄養を受け取る。

また角層や顆粒層を構成するためのタンパク質の合成も行います。

ランゲルハンス細胞という異物の侵入をリンパ節に伝え

アレルギー反応を起こし取り除く細胞があるのも特徴。

  • 基底層

メラノサイト(メラニンの工場)があるのが特徴。

紫外線から肌を守る色素であるメラニンを合成します。

ここで表皮がおわり、次に真皮層になるのですが

その両方の層をつなぐ【基底膜】というのがあります。

基底膜は表皮と真皮の栄養物や老廃物の移動調節の役割や

病原菌の侵入も防いだりもする0.1㎛の繊細な組織もあります。

  • 真皮(約1.8mm)

皮膚の弾力やハリを保つ肌の中心的な部分。皮脂腺や汗腺などの重要な器官がある。

乳頭層・網状層の二層構造を有している。

  • 乳頭層

毛細血管やリンパ管、神経が通っている層になります。

基底層への栄養や皮膚の骨組みにも役に立っています。

コラーゲンやエラスチンもある程度、含まれています。

  • 網状層

真皮層の大部分を占める、肌の弾力に富んだ層です。

特徴として線維芽細胞とよばれる細胞があり肌の弾力、ハリに関与する

コラーゲン線維エラスチン線維が豊富な場所です。

この層への、血液の栄養は大切であり血流の滞りは線維芽細胞の

働きを弱らせることになるため肌全体の調子が悪くなります。

また弾力やハリを保つための基質とよばれる組織も真皮層に存在し

これらの組織のおかげで皮膚の働きは保たれているのです。

この組織、細胞の均衡が崩れると

シワ・たるみ、など多くの悩みの原因が長期化する恐れがあります。

  • 皮下組織

真皮層の下に存在し皮膚の下と筋肉、骨の間ある組織です。

脂肪を蓄えてエネルギーを貯蔵したり

身体全体のクッションの役割を果たし刺激を和らげます。

また体温の調節を行い適温を保つのに役立っています。

ここまでが皮膚の構造や、働きについてです。

また別の投稿で、皮膚・肌の修復、新陳代謝について

みなさまに知っていただきたい情報をあげていきたいと思います。

光幸はりきゅう院・接骨院 代表 庄司 有希