坐骨神経の障害を惹起する障害の一種である
【梨状筋症候群】

原因を数例挙げると以下になります。
- 長時間の座り姿勢による骨盤部、梨状筋への機械的圧迫

- 肉体労働による梨状筋への過度な負担
- 臀部への外傷の打撲による内出血、ラン競技での肉離れ後の内出血

- 骨盤部の偏位、姿勢の乱れ
- 先天的な梨状筋と坐骨神経の形態異常

坐骨神経は仙骨神経叢(L4-S3の神経根の線維)から派生し

骨盤部の大坐骨孔において梨状筋がつくる空間を通過するが
この箇所へ種々の原因・変異が起こることで坐骨神経が梨状筋により
障害・圧迫を受けることで発症する絞扼性神経障害をいいます。
※また臀部に存在する、他の臀部の筋群が原因になる場合もあり。

臀部の内出血が起因する理由においては、骨盤部には血管叢が豊富なので
内出血を起こすと坐骨神経は骨盤組織と線維性癒着を起こすことで障害されやすい。
原因の上記4つは、想像がつきやすいと思いますが最後の
先天的な形態異常は、理解し難いと思いますので説明させていただきます。
おおかた、坐骨神経と梨状筋との相互関係ですが
坐骨神経が梨状筋の下方を通過:全体の90%
ほとんどの人体の構造上は、このようになっているのですが他のタイプも存在します。
- 坐骨神経が2本に分岐し、そのうちの上1本が梨状筋を貫通
- 坐骨神経が2本に分岐し、梨状筋を挟むように上下をそれぞれ通過
- 坐骨神経1本のまま、梨状筋を貫通
- 坐骨神経が2本に分岐し、そのうちの下1本が梨状筋を貫通
- 坐骨神経が梨状筋の上部をそのまま通過
これだけの変異が報告され、確認されています。
上記の3つが、残りの10%未満の確率を占めています。
ただ、この内容に限っては希有な事例ですのであくまで参考程度ですが
人体の神秘さ・不思議さですね。
こういった、要素が惹起するわけですが梨状筋症候群の症状とは
一体どういったものがあるのでしょうか?
◆梨状筋症候群の症状
患側下肢の坐骨神経領域への放散痛・臀部への痛みです。
その痛みにより、長時間の座り姿勢が困難となります。
麻痺の症状があらわれることは少なくありません。

とくに梨状筋下孔にあたる坐骨切痕部や、大転子と仙腸関節との中央へ圧痛がみられます。
また仙骨から大転子に及ぶ筋肉の緊張も著明になります。
歩行時には痛みを回避するために、股関節を外方向へ捻る(外旋)ことがある。
多くの場合、腰椎のは可動域制限が現れることは少ないですが
臀部の痛みにより腰部の動作に、代償運動を起こす人は多い印象です。
一般的には、こういった症状に悩ませることが多いです。
◆梨状筋症候群の検査・治療方法
梨状筋症候群を鑑別・検査する方法には
【K-ボンネット・テスト】【FAIRテスト】【Freibergテスト】【パトリックテスト】
などを行い梨状筋が原因なのか、それ以外の筋が原因なのか、関節障害なのかを
鑑別し、それに準じた治療方針をたて患者さんに説明理解を得てから治療を行います。
梨状筋をはじめとした筋組織のストレス・緊張状態の緩和に手技・鍼治療。
競技者であれば、内出血部の早期消失のための治療。
など障害部位へのアプローチを中心に、絞扼や癒着が再び起こらないように
股関節を中心に、ほかの骨や関節の偏位を改善させるためのエクササイズで再発防止。
こういったアプローチを当院では行い、症状の改善を実現させます。
また、他の療法では医療機関にて坐骨神経へのブロック注射、梨状筋へのステロイド注射
消炎鎮痛剤、筋弛緩剤などの投与が行われることがほとんどです。
ただ、こういった選択はその場しのぎで只一時の和らぎしか与えてくれません。
それでは梨状筋症候群だけに限らず、身体の障害は改善することは不可能に近いです。
しっかり症状の根幹から治療することをオススメしています。
お近くの方や、このブログをお読みになった方でこういった身体のお悩みを
解決したいときは、問い合わせ・治療の予約お待ちしてます。
光幸はりきゅう院・接骨院 代表:庄司 有希