◆ギックリ腰を説明

ギックリ腰という言葉は、医療用語では本来はありません。

ほとんどの受傷機転があるものは急性腰痛症といいます。

余談ですが欧米では、魔女の一撃なんて呼ばれているみたいです。

先ほども述べたように、何かしらの受傷機転(痛める原因)

つまり何かの動作を行ったときに、腰部を痛めて

その結果、腰部の周りにある組織である

筋肉・筋膜・腰椎の関節・それを支持する靱帯などの軟部組織や椎間板などを

痛めた動作で発生した負荷に耐えられずに損傷を起こしてしまい

炎症反応+痛みが現れた病態を指します。

この状態は医学的には捻挫と挫傷(肉離れ)と呼ばれるものになります。

ただ怖いのは、この負荷が思ったよりも強いことで捻挫や挫傷に加え

腰椎の関節そのもものバランスを崩してしまうケースもあります。

この場合、変形性腰椎症腰椎椎間板ヘルニア腰椎分離症腰椎辷り症脊柱管狭窄症などの

整形外科的な病態に陥る可能性もあるので、この場合は通常のギックリ腰と違った対処になります。

この後、それぞれ説明させていただきます。

◆ギックリ腰になったら…

まずはじめに、ギックリ腰になった時に

動けるのか動けないくらい痛いのかで最初の対処は変わってきます。

まずは動けないタイプのギックリ腰では原則、安静が絶対条件です。

再発癖があって、コルセットを持っていれば固定も重要になります。

それに加えて、痛みが出ている箇所が熱を帯びている感覚があれば冷やしましょう。

そして比較的楽な体勢を見つけて、極力痛みを誘発しないような対応をします。

炎症反応(熱を感じる)が落ち着いてくるのが損傷の程度によって大幅に変わりますが

3日~7日間前後で消失してきます。

そのタイミングで、動かせる範囲が増えてくるので

レントゲンやCT・MRIがある整形外科や病院を受診して

腰椎のヘルニアや、その他の病因がないかを確認しましょう。

あれば、その対応したドクターの指導に基づいて経過を観察していきます。

腰椎や椎間板に異常が見られず、捻挫や筋肉の挫傷系のギックリ腰であれば

腰の治療に対して知識のあるはりきゅう院・接骨院・治療院などへ来院して

しっかりと損傷後の組織をケアしていきましょう。

単純なギックリ腰であれば、概ね1ヶ月程度あれば8割方回復すると言われています。

痛みがあっても割と動かせるギックリ腰では、動かせるから放置でもいいや。

ではなくて、痛めてからその日のうちに整形外科・病院を受診しましょう。

動けるといっても怪我は怪我ですので、無理をしないように

なるべく痛みがでない動作で過ごすのがベストです。

もちろん、腰の損傷後のケアも行うのも大切です。

◆あきらかに痛みが強すぎる場合は

気分を害するくらい痛みが激しければ、救急車を呼んで病院へ行きましょう。

この状態の場合、ギックリ腰の損傷範囲・組織が広範囲すぎて

動くことが物理的に難しい状態になります。

また腰部は、上半身の連動性に関与する胸椎(よく猫背になるとこ)や

下半身(脚)の中で、筋肉量が多い股関節+大腿部(ふともも)との関連性が深

その軸になる腰部・腰椎が損傷被害が大きいと

その上下の動作にも大きな影響を与えてしまい動けないと考えられます。

多くの場合、数日間の入院生活を送り症状の経過をみて

退院になってくるかと思いますので、退院後には

組織の回復を目的にはりきゅう院・接骨院・治療院などを選択して

治癒力を高めることをしましょう。

またギックリ腰の負荷が腰椎椎体関節とそれに関係する軟部組織へ

ダメージを与えて違う疾患を招いてしまった可能性があり

  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • 腰椎分離症
  • 腰椎辷り症
  • 脊柱管狭窄症
  • 靱帯損傷

などを発症している可能性が考えられます。

この場合は、炎症反応による痛みを拾うだけでなく

脊髄やその神経根・神経枝など神経症状の痛みまで感じているため

痛みが複合して、その分痛みも強烈になってしまいます。

この場合は、該当した病態に合わせてドクターの判断での内容ですので

一旦、割愛させていただきます。

◆最後に

ギックリ腰は、再発する確率が高い怪我です。

その原因には、不良姿勢や腰部の動作にエラー(誤差)が生じたり

これが関節や筋肉に対して、負担を通常よりもためやすい状態となります。

この根本を改善しようとしなければ再発しても仕方が無いと思いませんか?

そこで当院が行う治療では…

  • 不良姿勢で使い過ぎの筋肉のマッサージなどのケア
  • 不良姿勢で生まれた弱化した筋肉の運動療法(エクササイズ)

この2つが重要になってくると考えています。

マッサージだけでは、筋肉の硬さや、痛み・重だるさの原因となる物質を

一定期間取り除けるだけで、それだけで治ることは絶対にないんです!

なぜなら日常における悪い身体の使い方が変わったわけではありません。

硬さや痛みを本当に消滅させていくには、今までに染みついた

負担を生み出す一連の動作を、身体と頭が覚えないといけません!

この改善を目的に、運動療法(エクササイズ)を行っていきます。

その運動は、自宅でも出来るものなのでそれを毎日継続することが大切です。

また筋肉・関節の動きは、ほとんどが誤差があることしらず無意識に行われています。

これを意識的に変えるには期間を要しますが、必ず変わってくるので

一緒に痛みが出ない腰をつくっていきませんか?

光幸はりきゅう院・接骨院 代表:庄司 有希