ゴルフは技術・精神力・体力…必要なスキルは山ほどあります。
そのために、正しいグリップ位置・スタンス・一連のスイング動作を
悩み、苦悩を抱えている人も少なからずいるだろう。
しかし実際には完璧なグラブを操る方法は存在はしません。
その理由は、ゴルファー・人によって身体の構造や脳と身体の操作性は
同じというのありえないことである。
つまりスイングは無限のパターンで振ることが可能なのです。
そのため上達・理想に近づく鍵というのは憧れのプレイヤーを真似るのではなく
自分に与えられた身体で、自分自身で生み出せる範囲で
最も効率的にスイング動作を実践できるかを目指しましょう。
そこで必要になってくるのは、ゴルフをするための各関節における
可動域の拡張と、それを可能にする筋力の成長が必要不可欠になります。
そこで何が必要になってくるのか、それを次に紹介していこうと思います。
◆パワー & スピードを生み出すこと
現代のゴルフにおける環境では、最高到達点としてスイングにおいて
パワーを発揮することを目的・最適化することを念頭に置くことが多い。
これを、ただフォームをダイナミックにして自身の身体の構造に対して
無理な状態を頻繁に与えれば、身体への負担・ストレスの原因となり
様々なゴルフにおける障害につながることは承知であろう。
特に腕の振りだけでスピードを生み出し飛距離を伸ばすパワーを得ることは
より避けるべき思考であり大きな間違い。
そこで重要になるのが【身体の運動連鎖】と呼ばれるものになる。
身体にネガティブな負担やストレスを最小限に回避しながら効率よく
スピードとパワーを最大に発揮するためには、スイングの一連動作の
エネルギーを地面から生み出すことである。
これはニュートンの第三法則による作用が大きく関与している。
ある物体から別の物体に力及ぼされるとき、等い大きさの力が逆方向に生じる。
この概念をゴルフのスイング動作に当てはめると
脚が地面を力強く蹴るとき、ゴルファーの身体を突き動かす反対向きの
力が等い大きさで生じ、この力を地面反力と呼ばれる。
この地面反力は脚を通じて足関節→下腿骨→膝関節→大腿骨→股関節
そして骨盤に伝わり、そこから腰部や腹部に関係するコアの部分へ
その力が、脊椎から胸郭→肩甲骨→肩関節→上腕骨→肘関節→前腕→手関節
そして最終的にクラブとボールに澱みなく伝えられるのである。
この地面からのエネルギーを効率的に伝えることで、身体本来のパワーを
余すことなくフルに活用し発揮することが実現できるのです。
そして【身体の運動連鎖】についても解説していきます。
◆身体の運動連鎖
身体の運動連鎖とは、身体の別々に離れた部分が鎖で繋がれたように
一連のシステムとして機能し、ある部分で生み出されたエネルギーやパワーは
隣り合う部分から部分へと次々に伝えられるというものである。
運動連鎖は隣り合う関節や骨、筋肉を身体を通して繋げていく。
そのため、構造的に弱い箇所やゴルフや日常生活での障害やケガは
エネルギーやパワーの伝達を阻害する要因となってしまいます。
それは無意識に、それを補い脳が勝手に誤った動作パターンを取りこみ
身体の他の部位を使い過ぎたり、想像以上の負担やストレスを身体に及ぼします。
ゴルフスイングを効率良く行うためには下半身のエネルギーが大部分を担い
また力を発揮するために貢献するのは筋細胞の多い大筋群である。
そのため運動連鎖において制限や弱点があると、初期である脚により
生み出されるエネルギーは、そのままコアや上半身から上肢に
効果的に伝えられることが難しくなってしまう。
それにより、大筋群よりも力学的ストレスを感じやすい小筋群が負担の標的になり
いつしか関節や、それ支持する組織、筋肉、腱へのオーバユース(使い過ぎ)による
疾患・外傷の原因に直結するリスクを高め、理想のスイングから遠ざかってしまう。
それを解決・改善することなく弱点を抱え続けることで
取り返しのつかないことになるのはこれ以上、説明しないでも理解はしていただけると思います。
◆解決策には何が必要なのか?
では、その弱点を克服するには何が必要なのだろうか?
ここで覚えておきたいのは以下の内容である。
単に身体を動かす筋肉の発達や活性化だけではなく、関節のスムーズな動作
身体の感覚・そのエラーの動作に気づけるか、などの要素も重要になります。
求められるのは、身体の個々の関節の可動性を適正に身体に学習・覚え込ませ
それに筋力の出力がバランス良く組み合わさることで弱点の克服を達成でき
常に自分の理想のスイングの動作、軌道を身につけられるようになります。
次回は、ゴルフの一連のスイング動作とそれに関係する筋肉の解説をします。
光幸はりきゅう院・接骨院 代表:庄司 有希