ゴルフスイングの安定性は、スイングパフォーマンスや障害における安全性に

多大な影響を及ぼすほど重要な要素になります。

可動性は極めて重要であるが、トレーニングによって高まった可動域を

コントロールする能力不足は障害のリスクを高め、一貫したボールヒットを損ないかねない。

安定性の重要性を考える際には、安定性を段階的に捉える必要がある。

関節を単体で捉えるレベルから、複数の関節・身体全体のレベルまで及びます。

身体の内部において、あるパーツがその隣のパーツに結合・固定され

筋肉、腱、靱帯はそれぞれ関節における安定性を構築を担っています。

これらの組織はいずれも、関節で生じる動きの程度を測るセンサーとして

機能する仕組みを個々で持っています。

これらのセンサーが適切に働いている間は、個々の関節では小さな変化も検知され

身体はその情報をもとに、動きを安定させるためにどの筋肉を働かせるを決める。

不使用や障害などを原因としてセンサーがうまく働いていない状態では

関節は望ましい可動域を越えて動いてしまうので

関節へのストレスとなり、エネルギー伝達が損なわれます。

スイングを通して適切な安定性は、地面から股関節、体幹、両腕

インパクト時のクラブヘッドへと効率的なエネルギー伝達を可能にします。

安定性を欠くパーツの存在は、スイング中のパワー低下の調和の乱れを生み出します。

特に、不安定性を経験する身体部位は【股関節】になります。

骨盤から下半身をつなぐ筋肉は多くの場合トレーニング不足に陥りやすいです。

この時、股関節における適切な回転を邪魔し目標側の脚に体重をシフトを妨げる。

また骨盤の不安定性は腰部の過大なストレスを生じさせたりもします。

つまり、これらの筋群が適切に働かないと股関節、骨盤、脊柱は

お互いを固定し合うことが出来ずスイング時に効率的なエネルギー伝達は行われない。

また肩関節の安定性を獲得するには、肩甲骨、肋骨、脊柱につながる部分と

肩甲骨が腕に結合する部分の安定性を築かなければいけません。

これらの関節をまたぐ、筋肉や靱帯のバランスを整備することは

上腕骨は肩甲骨に固定され、肩甲骨は肋骨や脊柱に固定されることが必要である。

この単体パーツ・多関節パーツの安定性が達成されることもスイングの調和と

安定性には非常に大切なってきます。

そこで、肩・脊柱・骨盤の安定性を築くのをサポートするエクササイズで

骨盤で生み出したパワーを脊柱~肩甲骨~上腕までの伝達を可能にしていきましょう。

◆T(ティーズ)

ダウンスイングにおいては、目標側の肩甲骨が脊柱に向かって

力強く引き寄せることが大切になってきます。

このとき、肩甲骨を耳よりも下方に離れさせるようにする。

これが出来ると肩甲骨はコアと体幹に固定される。

このことによって、リード側の腕を力強く引き体重を目標側の脚に

体重を移動することが可能になります。

これが行えないことは、生み出したパワーが減じられ腰部の障害や

インパクト後に、ボールをスライス性になりやすくなります。

①うつ伏せになり両腕は床に置き、肘を伸ばして親指は上に向ける

②腕は動かさず、ゆっくりと肩甲骨を引き寄せる

③腕は伸ばしたまま、ゆっくり側方に持ち上げTの字の形を維持する(2秒キープ)

この動作を繰り返し行い、10回×3セットを日々取り入れましょう。

動作を行うことに慣れてきたら、回数を増やしてエクササイズの効果を高めましょう

このエクササイズは、これらの筋肉を鍛えることができます。

※Wの形で行うことで違った筋肉への刺激が入るのでオススメです。

◆フルサイド・プランク

あらゆるスイングが同じ姿勢で、地面の傾斜や芝の長さ・砂の固さなど

何も変化や障害物がなければゴルフははるかに簡単になる。

だが、たくさんの異なった状況のもとでスイングの準備が必要になってくる。

このエクササイズは、標準的なショットにおける筋力を鍛えるのみならず

安定性を求められるようなショットに対して準備をすることが可能になる。

①左側を下にして横になり、右脚を左脚の上に乗せる。肩の下に左肘を曲げ床に着ける。

②左の前腕と左脚で地面を押すようにし、下半身・肩が一直線にする。

③臀部と体幹が落ちないよう姿勢を維持し、骨盤や腰を後方に回転させる。

④姿勢の維持ができなくなるまで続け、反対側も同様に行う。

この動作を繰り返し行い、行う側で3~5回を日々取り入れましょう。

これらの筋群を鍛えることができます。

◆T・プッシュアップ

ダウンスイング初期にクラブをリリースしないためには

適切な肩と腕の角度を保つのが必要になってくる。

このエクササイズは、肩を安定させる筋群を鍛えるだけではなく

これらの筋群をよりコントロールしやすくする効果があります。

エクササイズを正しく行うためには、動きの大部分を支えている側の肩で

行わなければならないので、肩周囲で身体を回転させることで

これらの筋群に大きな負担を強いる。

これによりスイングにより高いレベルでコントロールすることが可能になります。

①プッシュアップの姿勢をとる

②通常のプッシュアップを行い、身体を持ち上げる途中で片手だけで上体を支え反対の手を持ち上げ体幹を

持ち上げた側に捻る

③最初の姿勢に戻り、同様の動作を反対側も行う。

この動作を繰り返し行い、10回×3セットを日々取り入れましょう。

動作を行うことに慣れてきたら、回数を増やしてエクササイズの効果を高めましょう。

このエクササイズで、これらの筋群を鍛えることができます。

◆ローテーティング・サイドプランク

例えばロングホールにおいて、グリーンに近づくためにセカンドショットは

長尺クラブでパワフルなショットを行う必要があります。

これには、パワーを生み出す能力を高めることと同時に

動作の正確性を高めることが要求されます。

このエクササイズは、骨盤や体幹の安定性に働く筋群を鍛えるのみならず

肩周囲の筋群を強化するのに有効である。

このことによって、クラブを遅らせる能力が高まりヘッドスピードが高まる。

クラブの長さとヘッドスピードが増すにつれて、正しい技術を維持するために

より多くの筋力が必要になってきます。

そのためには、腹部の筋で腹斜筋群と肩部の筋を使うことに意識をおいて

エクササイズを行っていきましょう。

①先程のフルサイド・フルプランクの姿勢をとり、片方の手は頭部の後ろへ置く

②ゆっくりと体幹・臀部・肘を地面にむかって回転させる

この動作を繰り返し行い、10回×3セットを日々取り入れましょう。

動作を行うことに慣れてきたら、回数を増やしてエクササイズの効果を高めましょう。

このエクササイズで、これらの筋群を鍛えることが可能です。

この4つのエクササイズを、頻度×継続することで身体の操作性に変化は必ず出ます。

最初は、エクササイズのフォームが上手くできずに試行錯誤する可能性がありますが

そこでくじけずに、トライ&エラーでフォームを身につけみてください。

また、このエクササイズはプロでもアマチュアのくくりは関係ありません。

参考にしていただきゴルフ上達のため、ぜひ実践してみてください。

身体にあきらかな異常や障害があれば、当院へお問い合わせください。

改善に尽力いたします。

光幸はりきゅう院・接骨院 代表:庄司 有希