こちらと合わせて、お読みいただければと思います。
正中神経は、肘関節のやや下方で円回内筋と交叉します。
円回内筋は、二頭筋であり大きい線維は上腕内側上顆に起始し
小さい線維は尺骨の鈎状突起から起こります。
そのまま筋線維は下行し、両頭とも橈骨の中央1/3に付着します。

この部位で正中神経は絞扼を受けやすく、ここで起きた正中神経の
絞扼性神経障害を円回内筋症候群といいます。
これは、前腕を回内・回外動作を繰り返すことが誘因となります。
例として、ネジを締める・投球動作・ゴルフのスイング動作など。
◆円回内筋症候群の症状
肘、前腕前面及び母指から薬指の橈側(親指側半分)・掌側にかけての
重く鈍い痛みや痺れがみられます。
さらに、母指から薬指の橈側までの感覚低下も生じます。
なかでも、人差し指・中指の末梢に顕著に現れます。
また、円回内筋に圧痛がみられ指などで圧迫され続けると
母指から薬指の橈側までの痺れ感が増強することが多いです。
運動による麻痺は、そこまで強くないのも特徴。
◆円回内筋症候群の診断
まずは、自覚・臨床症状から推察することもあるが
医療機関にて、円回内筋部でのチネル徴候や筋電図検査、神経伝導速度検査に
よって診断することで特定していく。
◆円回内筋症候群の治療
基本的には、保存療法が行われる。
当院では、円回内筋の絞扼を緩和するために手技療法にて緊張を除去を
中心に行い、初期は動作を一部制限し安静を図ります。
鍼や灸などでも、同様の効果が得られるので状態から選択もします。
スポーツ競技で発症するものに関しては、フォームの癖が原因の
可能性もあるので、そういった部分の修正する運動療法も行い再発を防止します。
また正中神経から分岐する、前骨間神経も円回内筋が原因で麻痺を起こすので
その内容も、ここでお話しいこうと思います。
◆前骨間神経麻痺について
肘関節のやや下方において、正中神経から分岐するのが前骨間神経です。
円回内筋の二頭の間から、神経は通過しています。
つまり、この部分で絞扼・圧迫された状態を本症と呼ばれます。
■前骨間神経麻痺の症状
- 母指指節間関節(IP関節)の屈曲不能

- 示指(人差し指)遠位指節間関節(DIP関節)の屈曲不能

- 中指遠位指節間関節(DIP関節)の屈曲力の低下

母指の対立運動は可能であるが、つまみ動作はぎこちなくなる。
感覚障害はみられません。
治療方法に関しては、円回内筋症候群と同様の内容で行うことが多い。
状態に応じては、一部それに合わせた施術を行うこともあります。
こういった麻痺の症状が日々の生活に影響を与えている方
当院の治療で改善する可能性もありますので、お問い合わせ・ご予約いただければと思います。
光幸はりきゅう院・接骨院 代表:庄司 有希