前立腺とは、男性にのみ存在する臓器であり上部には膀胱、後方には直腸があります。

前立腺は、排尿時の尿道壁をコントロールしたり精液の一部成分の栄養に関係し
精子の運動を促進させ射精の際に役立っています。
前立腺肥大症は青壮年の男性にみられ、特に50歳代以降に著しく肥大していきます。
つまり加齢・老化によって引き起こされる疾患になります。
先程も説明したように、前立腺の上部には膀胱があります。
そのため前立腺が肥大していくほど、膀胱を圧迫したり膀胱を刺激することで
尿道を狭窄させ排尿に関する症状や問題の原因となります。
もとの前立腺は、クルミ程度(3~4cm)の大きさなのですが肥大していくと鶏卵大までなります。
では、なぜ前立腺が肥大するのでしょうか?原因をお話していきます。
■前立腺肥大症の原因
加齢により起こると考えられていますが、実際は完全に原因が解明されてはいません。
加齢によって男性ホルモンの分泌バランスが崩れることで肥大したり
他にも、遺伝的な要因が示唆されることもあります。
また肥満、高血圧、高血糖、脂質異常などの生活習慣病との関係性もあり
20~30歳代から、食生活をはじめとして健康な状態を意識し予防していれば
そのリスク・確率を回避できる可能性もあります。
■前立腺肥大症の症状
- 頻尿:昼間など排尿から2時間以内に、また排尿をします。
- 残尿感:排尿後に、尿が残っている感覚があります。
- 尿勢低下:排尿時の尿の勢いが弱い。
- 尿の途絶:排尿中に何度も、尿が途切れる。
- 腹圧排尿:排尿開始時にお腹に力をいれて排尿をする。
- 尿意切迫感:排尿感を我慢できない。
- 夜間頻尿:夜中に排尿をしたくなり、何度もトイレに行く
人によって、症状の程度は異なり前立腺の肥大具合や、尿道の圧迫の程度が関係します。
また肥大の進行によって、完全に尿道を閉鎖し閉尿になってしまうと危険です。
■治療方法
まずは、泌尿器科の受診が大切です。それは症状が前立腺癌と類似しているためです。
もし前立腺癌であれば早期的な対応がより求められるからです。
主に泌尿器科では、超音波検査・血液検査・直腸診などで他の疾患との鑑別や前立腺肥大具合から
状態を総合的に判断します。
その検査結果で、比較的軽症傾向であればα1ブロッカーなどの薬物療法で経過観察。
症状が進行している場合には、外科的な治療を行います。
外科的な処置では、内視鏡やレーザー照射の方法が検討されることが多いです。
当院では、鍼灸治療の効果を用いて前立腺を支配・栄養する自律神経や動・静脈の
機能低下や障害を解決させることで症状の改善をサポートします。
主に、仙骨周囲や下腹部を中心に全身的な経穴に鍼灸を用いて治療をします。
前立腺肥大症に悩む方は、大半が自律神経系が乱れ何らかの障害が現れています。
特に、血管の障害が多い印象で交感神経が優位な状態でいると、血圧上昇を呈します。
その場合、膀胱への血液供給が不足し栄養されないため膀胱の容量が縮小し
排尿や蓄尿などへ影響を及ぼすことがあります。
鍼灸治療で、身体を自動的に調節してくれる自律神経を整え安定した心身状態になると
排尿や蓄尿に関する症状が改善する見込みがでてくるのです。
前立腺肥大症が軽度なものであれば、症状の緩和は複数回の治療で変化する可能性はあります。
ただ、初期症状への対処がメインです。
重度のものは、症状や前立腺の縮小は長期的な治療で変わる可能性が難しいです。
そのため、薬物療法の併用方法として利用していただくことを検討していただければと思います。
ご自身が悩んでいる、また身近な方がお困りの際は一度当院へ問い合わせしてみてください。
お力添えになるよう、尽力いたします。
光幸はりきゅう院・接骨院 代表:庄司 有希