日本は少子化による、人口問題が深刻化しているのは皆さまご存じだと思います。

日本の人口は、現在男性6,200万人・女性6,400人と統計がでています。(6桁以降は切り捨てています)
人口減少の推移には、年々婚姻率が低下しているという現実もありますが
単純に、日本の男女人口比が約200万人ほど男性が少ないです。
その中で、勃起不全の中~重症度の症状が出現しているのは延べ1,000万人といわれ
軽度症状に悩まされる人も含めると、さらに人数は増加することがわかっています。
また、男性不妊症の原因の約4割近くは勃起不全症(ED)であると考えられています。
では、勃起不全症(ED)の病態・またなぜ鍼灸治療で効果が見込めるのかをお話していこうと思います。
■勃起不全(ED)の病態
性行為時に十分な勃起が得られない、また勃起状態を維持できないため満足な性行為が行えない病気です。
一見、単純な動物的反応だと思われますが、勃起は実際は複雑な仕組みです。

陰茎内部には、左右一対の陰茎海綿体と下部に尿道海綿体が通っており
勃起反応に関係するのは、陰茎海綿体のほうです。
海綿体はスポンジのような物で、細い無数の血管が集まっていて周囲を白膜が覆っています。
非勃起時は、陰茎海綿体につながる組織は収縮した状態で血液で満たされることはありません。
最低限の栄や酸素を、毛細血管から運ばれるだけにとどまっています。
脳へ性的刺激を受けると、脳内中枢神経が興奮しその情報が脊髄神経を介し陰茎へ伝わります。
その後、勃起反応を起こすために陰茎深動脈とバルブのような作用を果たしている螺旋動脈が緩みます。
それと同時に、陰茎海綿体の平滑筋も弛緩し大量の血液を受け入れる体制になります。
陰茎海綿体に血液が流れ込み、無数の細い血管が膨らみスポンジ状の組織は血液の圧力によって
海綿体が硬くなり陰茎の直径が太く大きくなります。これが勃起のメカニズムです。
では、なぜ勃起反応が損なわれ勃起不全(ED)は起こるのでしょう?
EDは陰茎自体の障害ではなく、全身疾患に付随するものや生活習慣に起因する障害のひとつです。
- 糖尿病
- 動脈硬化症
- 睡眠時無呼吸症候群
- 慢性腎障害
- 内分泌疾患
- 男性更年期症害
- 心因的精神疾患
- 肥満
- 加齢
- 喫煙
- 飲酒
- 運動不足による筋力低下
こういった病気や生活習慣がED発症に関与するとわかっています。
また、EDは3つの分類があります。
●機能性ED
①心因性ED

性行為に対する不安やストレスをはじめ、過去の性行為のトラウマやパートナーとのトラブル
また、うつ状態によって勃起反応が得られなくなること。
②男性加齢性性機能低下症候群/LOH
加齢により、男性ホルモンである【アンドロゲン】の分泌低下に伴い様々な症状を
呈するのが男性加齢性性機能低下症候群(LOH)です。
性行為に対する性欲の減退・勃起力の低下・射精感の消失などの症状があります。
加えて、うつ症状による落ち込み・不安感・過敏症・易疲労感・睡眠障害などの影響で
よりEDの状態を助長させてしまいます。
③薬剤服用性ED
他の病気で内服中の薬剤の副作用でEDを発症することもあります。
先程、紹介した全身疾患に対して処方される薬剤も該当します。
●器質性ED
①動脈性ED
陰茎海綿体へ十分な血液が流れないため起こるEDです。動脈の硬化で起きます。
肥満・運動不足・飲酒・喫煙・食生活、栄養バランスの乱れ・睡眠不足など
生活習慣病が勃起反応に対し影響を与えます。
睡眠時無呼吸症候群の人は、睡眠が障害されることで睡眠時の勃起反応を妨げ陰茎海綿体が
低酸素状態を呈して、EDを発症しているケースもあります。
②静脈性ED
血液が流入されても、陰茎海綿体内に保持されないことで起こるEDです。
原因不明ですが、何らかの原因で静脈閉鎖不全が起き陰茎の固さを保てません。
③神経性ED
性興奮による脳からの神経伝達が陰茎へ達しないことで起こるEDです。
神経伝導路に何らかの異常や障害により発症します。
④陰茎性ED
陰茎組織そのものが障害されて起こるEDです。
●混合型ED
機能性と器質性の障害を併発したEDです。
■EDの治療方法
病院では、治療薬としてバイアグラ、シアリス、レピトラが最も使われています。
血管拡張を促し陰茎海綿体に血液を流しやすくする薬剤効果があります。
ただ、これを服用したからと言って勃起不全が改善するわけではありません。
なぜなら、薬剤では対処療法が限界であり根本を変えていないからです。
そのため全身状態・疾患を改善していく方法のひとつに当院では鍼灸治療と健康指導を行います。
鍼灸治療は、身体の内部にある神経や血管などの組織に対して良い反応を与えます。
一人ひとりの身体の状態から最も効果のある経穴(ツボ)を選定し鍼灸で施術します。

EDに対しての経穴は、主に仙骨などの骨盤部・下腹部や鼠径部に多くあるので
その周囲への治療を行わせていただきます。
また全身症状に合わせて、その他の箇所の経穴も使用し全身的に鍼灸を行います。
また、食事を含めた栄養素の摂取や自身の生活を見直し変えていくことが何より重要になるので
そういった内容もカウンセリングで対応させていただきサポートしています。
治療回数や期間に関しましては、体質改善を目的に行っていく関係上
長期的なものとなってしまうので、あらかじめご理解ください。
治療を受ける方に対し、私自身も真剣に向き合った解決に尽力させていただきます。
相談・予約の問い合わせ、お待ちしております。
光幸はりきゅう院・接骨院 代表:庄司 有希