日々の過労やストレスによって、健康状態が良好に保てないことに
悩みを抱えている方は、どれほどいるのでしょうか?
それが原因で、常に疲労感に襲われてその解消のために
整体院や整骨院などに通って、症状の軽減と悪化を繰り返していませんか?
そんな人は、もしかしたら他の疾患に身体が脅かされているかもしれません。
この投稿で紹介する特徴に当てはまる場合は、一度病院への診断を検討ください。
◆重症筋無力症を知っていますか?
重症筋無力症は、身体を支えたり動かすのに必要な骨格筋に異常をきたします。
骨格筋の易疲労性と脱力を基本症状とし、その状態を軽減と増悪を
繰り返すのが特徴的な自己免疫疾患のひとつです。
自己免疫疾患とは?
本来免疫とは生体の防御機能として働くものです。
例えば、外界からの細菌・ウイルスの侵入を監視したり排除する役割をもちます。
また、自分自身の身体の構成組織には反応・攻撃は本来しないのですが
自己免疫疾患患者は、何らかの原因で免疫学的寛容が破綻してしまいます。
それにより自己の細胞や臓器を異物と判断され免疫系が過剰に攻撃を行い
身体にさまざまな影響を及ぼしてしまう疾患のことをさします。
では、重症筋無力症とはどういった特徴や症状なのでしょうか?
◆重症筋無力症の特徴と症状について
一般的に、女性に多く好発年齢は20~30歳代で発症することがあります。
初期症状は、眼の疾患・症状が現れてきます。
眼瞼下垂・複視・眼球運動の障害や球麻痺などを呈します。
球麻痺により、延髄にある迷走神経・舌咽神経・舌下神経が侵されることで
関係する筋群に異常が起こり発語・嚥下・咀嚼障害などをみます。
また、四肢(上・下肢)の筋への初期症状は昜疲労性で、その後脱力がみられる。
上肢では伸筋群、下肢では屈筋群が侵されやすく末梢の筋肉よりも
体幹近位の筋肉(肩・腰部)が、より侵されやすいです。
この症状は、少しの時間休憩すると一時的に回復しますが再度動作を繰り返すと悪化します。
特徴として、朝は比較的症状が軽く夕方に近づくにつれ悪化傾向がみられます。
そして重症の場合は、呼吸筋の麻痺し呼吸困難に陥ることもあります。
◆重症筋無力症の治療と予後
命に関わる疾患のため、まずは病院を受診し検査を受けます。
この時、症状を誘発する筋電図の異常所見をみます。
また自己抗体である血中抗AChR抗体が陽性所見もみられます。
そして自己免疫疾患の治療では、副腎皮質ステロイドなどの免疫抑制薬や
γグロブリン療法などの免疫療法を中心行います。
これにより、近年では本疾患の予後はよくなりつつあります。
重症筋無力症は、基本遺伝的な要因の可能性が考えられにくいため
前述した特徴に少しでも該当した方は、自分のために検査をしてください。
光幸はりきゅう院・接骨院 代表:庄司 有希