バセドウ病とは、甲状腺機能亢進症とよばれる内分泌疾患です。
この疾患では、甲状腺におけるホルモンの合成と分泌が増加し
甲状腺ホルモンのサイロキシン・トリヨードサイロニンの分泌過剰による
症状が出現している状態をいいます。
では、バセドウ病とはどういった疾患なのか説明していきます。
◆バセドウ病とは
バセドウ病とは、グレーブス病ともよばれています。
血中にある甲状腺刺激ホルモンの抗体が甲状腺に対して刺激与えることで
甲状腺がびまん性(広い範囲の病変)に腫大してしまうことで
異常的に甲状腺ホルモンの産生が高まり起こる機能疾患をいいます。
◆バセドウ病の原因とは
甲状腺刺激ホルモン受容体を自己抗原とする自己免疫疾患と考えられます。
自己免疫疾患とは?
本来免疫とは生体の防御機能として働くものです。
例えば、外界からの細菌・ウイルスの侵入を監視したり排除する役割をもちます。
また、自分自身の身体の構成組織には反応・攻撃は本来しないのですが
自己免疫疾患患者は、何らかの原因で免疫学的寛容が破綻してしまいます。
それにより自己の細胞や臓器を異物と判断され免疫系が過剰に攻撃を行い
身体にさまざまな影響を及ぼしてしまう疾患のことをさします。
これにより、甲状腺の腫大やホルモン分泌過剰は引き起こされます。
◆バセドウ病の特徴とは
主に、女性に多く発症する疾患と考えれています。
発症する年齢は15〜50歳代であり、遺伝的な素因も関与します。
◆バセドウ病の症状や所見とは
特徴的ともいわれる症状は【メルゼブルクの三徴候】があります。
- 頻脈
- 眼球突出
- 甲状腺腫



頻脈は交感神経系の亢進によって起こる洞性頻脈となります。
洞性頻脈とは、心拍数が100回/分以上の頻脈をいいます。
自覚的には、動悸として現れてきます。
自己免疫の攻撃によって、眼球の後部にある結合性組織や眼筋に
炎症が起こり両側性の眼球突出が顕著になります。
甲状腺の容積が増大したは、全体が触知できる程の
びまん性甲状腺腫となります。
他にもさまざまな症状を呈します。
熱産生の亢進による症状
- 微熱
- 発汗過多
基礎代謝の亢進による症状
- 食欲亢進
- 体重減少(るいそう)
- 低コレステロール血症
交感神経系の亢進による症状
- 手指振戦(ふるえ)
- 高血圧
- 下痢
- 易疲労感
骨代謝の亢進による症状
- 骨粗相症
またバセドウ病に、低カリウム血症を伴うと四肢の近位筋を中心に
発作性の脱力や筋力低下・四肢麻痺が現れる事がある。
低カリウム血症とは?
細胞外液中のカリウムイオンが、骨格筋細胞へ流入することを指す。
この現象により骨格筋細胞の静止膜電位が変化しインパルス(活動電位)が
起こりにくくなるので、筋肉の脱力や筋力低下・麻痺などを呈する。
その他にも、月経異常・刺激などに対しての過敏症もあげられます。
◆バセドウ病の治療法
主に行われる方法は以下になります。
- 薬物療法(欠損しているホルモン補充療法)
- 放射線治療
- 外科的療法
これらを行うのが一般的に多く選択されます。
先程の、所見・症状が極度に感じる際は早期に病院へ検査に行きましょう。
◆当院の対応について
基本的に、整体・指圧・鍼治療は可能です。
灸に関しては、熱による刺激が負担や不調を誘因する
可能性もあるので行わないケースもあります。
バセドウ病の根本的な治療は難しいですが症状である
交感神経系の亢進を抑制し、副交感神経の活動を高めたりすることで
筋肉や関節の痛み・易疲労感を一定的に緩和できます。
また過敏症の方でも施術をお受けできるように指圧や鍼の刺激量を
考慮することで身体の負担を与えず施術を行なっております。
自己免疫疾患は、いまだに根本治療が確立していない病気の一つです。
ですが、自身の健康状態や精神状態を良好にしていれば
その症状の軽減などは可能になってきます。
お悩みの方は、お問い合わせ等お待ちしております。
光幸はりきゅう院・接骨院 代表:庄司 有希