鍼や灸の治療を受ける時などに、経絡や経穴というワードを
聞いたことがある方は多いかと思います。
しかし、実際に「経絡はなに?」「経穴って、何に効くの」など分からないことだらけですよね。
そこで、今回はなるべく分かりやすくまとめてみますので治療を受ける前の
知識・参考にしていただければと思います。
◆経絡について
経とは、経脈を指します。(気・エネルギーと血・血液が流れる経路)
また、縦糸を意味し人体を縦の方向に経脈は走行しています。
絡は、絡脈のことで経絡を構成する要素のひとつで、経脈と対比して身体を横方向に流れます。
また絡は、つながる・まとうを意味し経脈と絡脈を連絡しています。
つまり、経絡とは人体の内外を網のように連絡することで身体を養うのに必要な
気・血を巡らせ生命の維持や活動を行えるようにしてくれています。
そして経脈には、正経十二経脈と奇経八脈という2つがあります。
■正経十二経脈
各一脈ずつ、各臓腑と連絡としており、臓腑に気血を巡らせることで
臓腑それぞれにある作用・機能を正常にし、各々が独立した存在ながらも
作用にて臓腑同士を助け合い人体を循環させる1つの環のことです。

正経十二経は、手足の三陰(太陰・少陰・厥陰)と手足の三陽(太陽・少陽・陽明)からなり

それぞれ、このような分類で各臓腑と関係します。
東洋医学では、人体を構成するものとして臓腑を中心に考えます。
臓とは、肝・心・脾・肺・腎の五臓をいう。
これに心の外衛である心包を加えて、六蔵とすることもある。
腑は、胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦を指します。
臓は陰陽の陰に属し、精気(エネルギー)を貯蔵し身体を栄養します。
腑は陽に属し、飲食物を消化・吸収・排泄する役割を持っています。
なので、気血が経絡中で停滞したり不足することで臓腑の機能が失調し
その結果、身体に変調が起こり経絡へ何らかの反応が現れます。
■奇経八脈

奇経には、上記8つの脈があり臓腑を絡うことはなく
気血は正経十二経を巡るが、気血が充ち溢れると奇経に流入します。
臓腑との直接的なつながりはないのですが、身体の状態を正常に保つよう
正経十二経をつなぐよう張り巡らされています。
また奇経八脈のうち、督脈と任脈は体幹の正中の前後を流注し固有の経穴をもちます。
そして、この正経十二経と奇経八脈には名称や部位が定まっている
経穴というものが存在しています、これが所謂ツボと呼ばれるものです。
◆経穴について
経絡上には経穴=ツボが存在し全361穴がWHOに定められています。

東洋医学的にいうと経穴は気の出入り口と考えられています。
気には邪気と正気があります。
正気とは自然治癒力を高めたり、からだを正常に機能させるために働いています。
飲食物を消化したり、呼吸によって取り込まれ、臓腑の働きによって作られます。
これが各組織に送られて生命活動などの維持を行っています。
邪気は体を病気にさせる働きのある気です。
邪気は葛藤によって生まれるものです。
暑さ寒さなどの環境ストレス、暴飲暴食によるストレス
心身に及ぶ精神的ストレスなどにより発生します。
この正気と邪気の体の中の通り道が経絡となります。
経穴は経絡上にあって正気と邪気をからだの中と外部とを連絡するための出入り口として働きます。
そのため経穴に鍼や灸をすることで、経穴より邪気が身体の外へと出るのを助け
その後、経穴から正気を補い自然治癒力が高めていくのが、東洋医学の治療の考え方です。
なので経穴は、疾病の際の反応点であり、診断点であり、治療点であるといえます。
◆経絡経穴を用いた鍼灸治療の効果
東洋医学では、経絡の特徴を利用しお身体の不調の診断や治療を行います。
例として、病気や体調不良がおきたときには弱った臓腑の経絡と体表部の接点である経穴に
痛みや硬結や緊張、陥凹などの異変が経穴上に起こります。
その場合には経穴や経絡を通じて関連する臓腑に病変が起きていることが推測し
診断や治療をするうえでの指標となります。
そういった不調に対し病弱した臓腑に関係する経穴へ
鍼や灸などの刺激を与えることで身体へ免疫作用や自己治癒能力などの
失調していた機能が再び活性化させることで症状の緩和・改善が可能になります。
当院で対応できる疾患などは以下になります。(WHOの認めるものに限る)
神経系疾患
神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛
めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー
運動器系疾患
関節炎・リウマチ・顎関節症・頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腱鞘炎
腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)スポーツ障害など
循環器系疾患
心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ
呼吸器系疾患
気管支炎・喘息・風邪および予防
消化器系疾患
胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)
胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾
代謝内分秘系疾患
バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血
生殖、泌尿器系疾患
膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎
婦人科系疾患
更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊
耳鼻咽喉科系疾患
中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・扁桃炎
眼科系疾患
眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい
小児科疾患
小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)
小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・体質の改善
※小児への治療は刺さない鍼(棒やヘラ状の鍼)を使用して治療します。
次回別のブログで、臨床の治療で重要な経穴をお話させていただきます。
そちらもお読みなっていただき、施術を受ける前の予備知識としてご活用ください。
光幸はりきゅう院・接骨院 代表:庄司 有希