
この2つの姿勢をみて、どちらが〝良い姿勢〝だと感じますか?
多くのヒトは、右側の女性を選ぶと思います。
ですが、姿勢が良いから身体に負担がないとは限りません。
自覚の無いところで、身体の基盤となる骨や筋肉・組織だけでなく
それらを栄養する血管や神経だけでなく
脳・脊髄・内臓器官などヒトを構成し生命活動を維持しているものに
負担をかけている可能性があります。
それが原因で、身体が痛くなったり硬くなったり
自律神経の乱れによって起こる身体の内側が原因の不調を感じたり、と
ヒトの活動に大きく影響を及ぼすのです。
そもそも「正しい姿勢」とは、どういったものなのか?
なぜ、姿勢が悪い事でそういった不調が現れてしまうのか?
今回は、その部分をお話していこうと思います。
・姿勢の定義
◆二足歩行は健康ではない?!

皆さま知っての通り、いまのヒトの二足歩行に至るまで
このような進化(?)を人類は歩んできました。
では二足歩行になったことで身体の機能は果たして
良くなっているのでしょうか?
二足歩行と四足歩行を比較してみましょう。
■四足歩行の特徴

- 目線が常に上を向けるように首の後ろの筋肉が発達している
- 固い物を食べる習慣が多いので首前・顎の筋肉が強い
- 水平な肩甲骨が支点なるので肩・腕の筋肉の力が伝わりやすい
- 腰の骨が屈曲(後方向へ)しているので腹圧が高まりやすい
- 骨盤の形状が大きく股関節の引き込みが安定している
見た目の姿勢が悪いように見えるが、理にかなった骨格をしています。
■二足歩行の特徴

- ヒトの頭蓋骨は大きく重たい(4~6kg)のに対して首の骨が細く筋力が弱い
- 腕が宙に浮いているので(8~10kg)の重さを肩甲骨を中心に支えている
- 腰の骨が前方向に反ったことで腹部の筋肉が緩みやすくなり、やや安定力が弱くなった
- 骨盤の形状が縦に短く、横幅が長くなり内臓器官を支えるのに適している
- 腰の骨が前に反ったことで、足を後方向へ引けるようになった
- 身体の全体重を下半身だけで支えるため股・膝・足関節の消耗が強い
など、他にもあるのですが思ったよりデメリットもポツポツ出てきます。
ですが今更、四足歩行で生活するわけにはいきませんので
この身体の仕組みと上手く付き合い生活を送る必要があります。
では、どういったとこを意識するべきなのでしょうか?
◆いわゆる良い姿勢
ヒトは常に重力の影響を受けながら身体を動かしたり
姿勢が崩れないよう制御をして生活をしています。

身体を側面から観たときに、重心線とよばれるものがあり
耳垂・肩峰・大転子・膝関節・腓骨外果(外くるぶし)に垂直線を引き
そこに、しっかり位置していれば身体のバランスは比較的保たれています。
また脊椎と骨盤の位置関係と角度も大切です。

それぞれ頸椎・胸椎・腰椎・仙骨の生理的なカーブ(弯曲)を保っている重要です。
頸椎は身体の中心に近く、緩やかな前弯(30~35°)
胸椎は背中側に緩やかに後弯している(35~40°)
腰椎はお腹側に緩やかに前弯(40~45°)
仙骨は、やや前傾が理想的(35~40°)
の状態であれば、いわゆる軸の整った良い姿勢になってきます。
この状態が身体の基盤であり
筋肉の出力・持久力・柔軟力などのさまざまな要因が連動していれば
どの姿勢の状態であっても身体のロスが少ないので痛みなどの症状は
リスク回避できる可能性は高くなってきます。
他にも身体を前側・後側から視診することも重要です。
左右の各骨・関節の傾きがないのか?も見落とせないポイントです。
◆不良姿勢について

基本的に不良姿勢と認識されるものは、この4つの型です。
左側から順に…
- ロードシスType(腰椎過前弯型):いわゆる反り腰
- カイホロードシスType(腰椎過前弯+胸椎過後弯型):反り腰と猫背が特徴
- スウェイバックType(後弯平坦型):骨盤が後傾して、下腹がでやすく胸椎が後弯する
- フラットバックType(平背型):胸椎下位一部と腰椎が平坦ストレート
に一般的に分類されます。
※この4つの不良姿勢の内容は、別投稿にまとめます。
いわゆる不良姿勢とは、先ほど紹介した良い姿勢の基準から崩れた状態を指します。
この状態では、筋肉や筋膜・骨や関節への悪影響のみならず
皮フ(真皮・皮下組織)・結合組織(靱帯・軟骨・腱など)・脂肪
リンパ・血液に障害を与えることが分かっています。
これらの器官に負担が加わり、それが原因で痛みをはじめ不快感など
身体にさまざまな感覚が襲ってきます。
不良姿勢のはじまり
- 日常生活の固定化された活動や癖
- 無意識に行う動かしやすい動作の反復
- 座位や立位を基本とした長時間の同じ姿勢
- 怪我をかばい身体の重心や関節軸が崩れる
このあたりが複合化し、長期化した結果が身体の体節配列を崩し
不良姿勢は形成されてしまうのです。
その不良姿勢の、どの型がベースになるかで
身体の筋肉・関節の硬さやズレ、緊張や弛緩(筋力低下また活動しにくい)が決まります。
また不良姿勢の脊椎(背骨)は、ほぼ変形状態です。
ヒトの身体の中心は脊椎ですので、いわば木の幹と置き換えられます。
その脊椎という幹から、枝分かれした頭蓋骨や上肢・下肢のそれぞれの骨が存在します。
中心の軸が傾けば、枝分かれしたそれぞれの骨が構成する関節も必然として
ズレが生じ機能障害を起こすことにつながります。
それが、皆さんもご存じの寝違えやギックリ腰をはじめとした
その他、関節の怪我のリスクを高めてしまいます。
◆姿勢が悪いのは、変わらないの?
結論から伝えると、脊椎の変形したものは治りません!
幼児・小児のように骨が一部軟骨成分が残っていれば話は別ですが…
成長期が終わった年代では限りなく0に近いことです。
では不良姿勢を変えるのに、こういった接骨院・治療院で何を治療をするのか?
大きく分けて、こういったことを目的にします。
- 脊椎の一個一個の軸矯正と分節運動を獲得させる
- 緊張、短縮した筋肉の弛緩とストレッチ
- 延長、弱体化した筋肉の再教育のための運動(エクササイズ)
これらを治療に取り入れることで身体が覚えた悪い運動・癖のパターンが
状態にもよりますが数ヶ月強~数年単位と個人差がありますが徐々に改善していきます.。
当院は、整体・マッサージにプラスして運動療法(エクササイズ)を行う接骨院です。
浦和エリアで身体の不調が良くなっては悪くなる、といったサイクルから
抜け出せない方は一度、縁があれば当院へご相談ください。
身体の変えたい悩みを、しっかりと耳を傾け解決策を提供いたします。
身体に染みついた習慣が変わるのは容易ではありませんが一緒に変えていきましょう!